● 同級生2

1995年elfより発売のADV


いわずと知れた恋愛ゲームの基盤ともなる「同級生」の続編です。
1995年PC98で発売して以来、コンシューマなどにも大きく展開し、
その完成度の高さを知らしめました。
とはいえ移植完成度の低いモノも多くありましたが…

ちなみに私がプレイした事があるのはPC98版、SFC版、SS版です。
当時まだ夢見るアリスちゃんだった私は、
PS版のフィギュアセットが欲しくてたまりませんでした。
とはいえ今は買わなくて良かったと思っていますが。

1995年と言うと当時私は中学生…
あれ…18禁?
まぁ深くは考えないで下さい。
同級生2は前作である同級生からプレイしていたため、
とても期待していた記憶があります。
しかも、当時のパソコン誌でも大きく取り上げられていて、
この前その雑誌を読んだら、こんなキャラいねーよ。とか思ったりしました。
(のちに公開された「卒業生」と言うシナリオのキャラでした)

とまぁ、まだ年端もいかない私でしたがこのゲームに出会ってしまったわけです。
当時発売直後で攻略本も出ていなかったので大変苦労してプレイしていました。
一番始めにクリアしたのは「愛美さん」でした。
攻略法が解らない段階でクリアできたのは彼女だけだったので…
その後少しして原画集兼攻略本が発売されたのでそれを見てプレイしました。
その時の感想。
「こんなキャラしらねー」
桜子なんてキャラに気付きもしなかった私は少し驚きました。
まぁ、病院の窓を調べるなんて解るはずも無いと思いますが…
見つければ簡単なんですけどね、攻略は。


そんなわけで、一応あらすじから。
主人公であるりゅうのすけ(デフォルト)はハ十八学園に通う3年生。
プロローグは冬休みに入る1週間前から始まります。
宿敵である体育教師天道との約束は、冬休みまでの二週間の間一度でも遅刻すれば、
冬休み中天道と一緒にマラソンをしなければならないといモノ。
深いわけがあって同じ家で暮している唯に毎朝起こしてもらい、
なんとか無事冬休みを迎えられたりゅうのすけ。
そんなわけで冬休み中に女の子と仲良くなろう。と…
まぁ今となっては言ってしまえばありきたりな話です。

シナリオは、
当時、(エルフが初めかは知らないけど)先駆けとなったクリックタイプのADVで、
細かい所までちゃんと文章が用意されているのには脱帽でした。
攻略できる女の子の数は他とは比べモノにならないくらい多いし(15人)
その内容も個性があってとても良かったと思います。
文章表現も素晴らしく、
ギャグセンス、シリアスでの惹き付け、その他とても良く出来ていました。
例えば始めの朝、唯との会話シーン。
主人公の選択「あくびをする」
唯:ぐぅ、が入りそうだね。
主:ぐぅ?
唯:うん、じゃんけんのぐぅ。
こんな個性的な会話がいままであったでしょうか。
朝起こしに来る幼馴染(もしくは妹)と言うのは、
恋愛ゲームの定石といっても過言ではないくらい多く使われていますが、
未だにこの会話に勝つシナリオに出会えていない気がします。
(他には他の良さがありますけどね)
そう言った表現や、キャラクターの個性がとても良く表現されているゲームだと感じました。

次に絵について、
原画「竹井氏」
絵にはそれぞれ好みがあると思いますが、
私の中では竹井氏の原画はとても好評でした。
当時のゲームで言うと、
「誕生」「卒業」「同級生」「ドラゴンナイト4」等が出ていましたが、
全てプレイしました。(クリアしてないのも有りますが…はは)
今でこそ色々な絵柄が出ていますが、あの頃の竹井氏の絵柄はずば抜けていたと思います。
なんと言っても女の子が可愛い。
それでいて個性もあり、子供から大人まで幅広く描ける。
そして、やたらH。
今流行り?の「汁」とか、そう言ったエロさではない綺麗なエロさでした。
それに当時16色のCGの世界で、
とても綺麗に塗られた絵は賞賛すべきです。
今はあまり好きなメーカーではないけれど、CGのクオリティーに関しては
今も昔もエルフはずば抜けていると思います。

キャラクターに関して、
長くなるけれど一人一人書いて行きたいと思います。

●鳴沢 美佐子
唯のお母さん、主人公の家の喫茶店を経営していて、
主人公と唯と3人で暮している。
(主人公の母親は他界、父親は考古学の研究で外国へ)
お母さんのような存在で、正直私はそこまで好きにはなれませんでした…
優しくも厳しいといった感じでしょうか、
ただ桜子のシナリオで励ましてくれる美佐子さんは結構じーんとくるものがありました。

●鳴沢 唯
主人公と同い年だがお兄ちゃんと慕う女の子。
主人公の方は逆にそれを嫌い、唯を避けている。
ただの同居人のあまあまなシナリオとはまったく違って、
手を出しちゃいけないと言う主人公と、主人公を慕う唯の気持ちのすれ違いがとても切なく、
良かったと思います。
見た目95点
シナリオ90点くらいかな…
攻略するのがめんどくさいのが辛い所です。
「あのまま死んでも唯はきっと後悔しなかったと思うよ…」
(余談ですが、SS版とCDアルバムのドラマの声が違うのが残念でした)

●杉本 桜子
市民病院に入院する女の子。
窓越しに見える儚げな印象がとても良かったです。
また、キャラクターとしての魅力がとても高く、
あのショール姿が私の壷にはいりまくりました。
音楽もとても良く、聴くだけでとても切なくなります。
「そんな、涙がでるような事を言わないで…」
見た目シナリオ共に満点。
文句無くベストキャラクターです。

●水野 友美
隣に住む幼馴染の女の子。
クラスの委員長で眼鏡。
スポーツも勉強も出来て、家もお金持ち。
と言ったキャラですが、「言いたい事をはっきりと言えない」と言う欠点をもっています。
そのため主人公のクラスメイト「芳樹」に写真で脅迫されます。
言い出せない友美と心配する主人公。
すれ違う気持ちがとても切なく表現されていました。
「目の前で泣いたの…何度目かしら?」
音楽はバロック調で物悲しさが漂います。

●舞島 可憐
主人公のクラスメートがだ8歳からアイドルとして多忙な生活を送っているために、
なかなか学校に来れないと言う女の子。
マネージャーの妨害にめげずに主人公は可憐を追っかけます。
音楽は明るめで結構好きです。
そこまでたいした盛りあがりもなくシナリオはすすみますが、
結構普通の生活に憧れを持つ彼女の想いに好感が持てました。
「私はあなたが好き!言いたい事はそれだけよ、じゃあね」
ただ、攻略するのはめんどくさいです。

●加藤 みのり
クラスでも地味な眼鏡の女の子。(ついでに貧困生活を送る)
もう一つの名前を持ち、見た目で人を判断する事を嫌う。
主人公のクラスメートである「西園寺有友」に告白するも玉砕。
そこから気持ちは主人公に傾く。
「あなたを好きになり始めてる自分の気持ちに気付いたから…」
音楽ははっちゃけた感じの音楽でした。

●野々村 美里
バスガイドのお姉さん。
他はあまり覚え得てません…

●篠原 いずみ
主人公のクラスメートでボーイッシュな女の子。
プロローグで主人公が唯と腕を組んで歩いているところを目撃され、
彼女にストロベリーパフェを奢れと脅迫される。
厳格な家で育てられ、弓道をたしなむ。
自分に女の子らしさが欠けていると言うのを気にしている。
「ありがとう…こんな私を好きになってくれて」

●南川 洋子
主人公のクラスメートでバイク屋の娘。
不良っぽい所がありバイクを乗りまわしている。
気持ちを伝えるのが下手で裸で告白したりする。
「責任とってくれるよな?お前の子供なんだぜ」

●田中 美沙
いわずと知れたバンビちゃん。
でも今回は陸上はやりません。
前作にも登場したキャラクターです。
今回はそれから数年後と言う設定で、この町にやってきます。
前作主人公と似ている今回の主人公に美沙も驚き…
(一応前作主人公と付き合っていたらしいです)
主「俺ががそいつに似てるんじゃないやい、そいつが俺に似てるんだ!」
音楽は前作のアレンジでした。多分。

●片桐 美鈴
主人公の担任の先生。
進路の決まっていない主人公に呆れている。
ある事件をきっかけに主人公に惹かれていくわけですが、
年上の女性。って感じでした。
「続きはあなたが卒業してから…」
音楽は雨上がりみたいな感じの曲でした。

●安田 愛美
近所の保育園の保母さん。
主人公の宿敵体育教師天道が彼女に一目惚れをして、付きまとう。
保育園の子供が車に轢かれそうになったところを主人公が助けて知り合う。
クリスマスの日、保育園の子供にサンタの格好をして主人公がプレゼントを渡すのですが、
そこからドラマがはじまります。
「聞いても笑いませんか?…私の好きな人はサンタさんなんです」
私自身、初めてといたキャラだったので愛着はあります。
ただ、少し地味な感じはしました。

●永島 久美子
旅館の女将の娘。
都会に憧れ、旅行に来た主人公に連れ出してもらいたいと願う。
後に旅行が終わった後主人公の家に押しかけてくるが、母親に見つかる。
向日葵のような笑顔が印象的でした。

●永島 佐知子
旅館の女将。
久美子の母親で、久美子には旅館を継いでもらいたいと願う。
他はあんまり覚えてません。

●都築 こずえ
主人公の後輩のはっちゃけた女の子。
頭を調べる度に「取る」と言う選択肢だったのが笑えます。
ヅラっぽい髪型だったんでしょう。
始めは振り回される様にこずえとデートしますが、
ある事件を期に喧嘩別れ。
そこからこずえを説得するためにいろいろな場所へ行きます。
「先輩、こずえはもうわがままを言いません!」
音楽は明るく、すこし馬鹿っぽいです。

●南雲 麻耶
知っている人も稀少だと思いますが、
攻略した人も稀少だと思います。
SFC版のオリジナルキャラクターで、隣町の神社の巫女さん。
毎日朝に神社に行くと会えます。
祖父に縛られていて、自由が欲しいと願う。
主人公が連れ出してあげなければなりません。
SFCの画面ではドットがつぶれていて顔などが綺麗に見えなかったのが残念でした。
他の機種でも出てきて欲しいと思います。

と、15人(+1)の個性豊かなキャラクターです。
美佐子さん、美鈴さん、佐知子さんと熟女が3人もいます。
珍しい配分ですね。


次にシステムについて、
クリックタイプのアドベンチャーはとてもすばらしかったです。
マップ上をRPGのように徘徊しながら決められた時間のなかで女の子を探さなければならないというのは、
攻略本が無ければ絶対無理な感じがしましたが、
まぁそれはそれ、と割りきるしかない所ではあったと思います。
攻略本を見ながらプレイというのは少し作業的で苦痛な所も多かったです。
しかし前作に比べれば、無駄に入れる家も少なく、日数も短いので進化はしていたと思います。
時間を進めてくれるシステムがあるのも素晴らしかったと思います。
しかし、PC98版では寝ないとセーブが出来ないのでゲーム上の時間で最低1時間はかかってしまうのはどうかと。
メッセージスキップや、移動速度の高速化があるのは嬉しかったです。
良い所もあり、改善点もあるゲームでした。
しかしこの後、マップをRPGのように徘徊するタイプのADVは殆ど見なくなったので、
それはそれで寂しい気はしますが…
「しかし」を多用するような文章で申し訳ありません。


次に音楽について、
FM音源での音楽でしたが、
メロディラインを頭の中に記憶できる良いゲームでした。
キャラクターごとの音楽など、曲数もかなり多かった気がします。
ちなみにアレンジCDの紹介ですが、
同級生2のアレンジCD(2枚組で片方はシングル)はとても良いアレンジでした。
他にはあと1枚しか持っていないのですがこちらはオリジナル音源で、少し物足りなかったです。
前者のCDはドラマ部分も良く、(ゲームのオリジナル文章をそのままですが)
アレンジも曲数は少ない物の厳選された曲のアレンジで良かったです。
特に桜子のテーマがオルゴール→桜子のテーマ→月の夢とメドレーになっているのがとても良かったです。
他は唯、可憐、こずえ辺りのアレンジが好きでした。


全体を通して完成度は間違い無く高いと思います。
そして私に与えた影響と言うのもかなり大きいと思います。
いまさら…と言われればそれまでですが、
良いものはいつになっても良いです。
この間「同級生2SP」と言うのを(PC98ですが)やりました。
おまけディスクのような感じで、
SS版にも収録されていた「卒業生」と、
オリジナル「鳴沢家の居候」、「マハートの世界」という三本の話が収録されていました。
「卒業生」は八十八学園を卒業した大学生の「三四郎」が主人公で、
西園寺の家にピアノレッスンにくる女先生「みゆき」との恋の物語です。
同級生2のゲーム期間の終盤の1月4日から6日までのショートストーリーで、
りゅうのすけに恋心を抱く三四郎から見れば後輩の、唯や友美などがみれます。
つまり視点を変えて見ることができるので、とても面白かったです。
「鳴沢家の居候」はギャグストーリーで、
鳴沢家を舞台としたパラレルストーリーです。
妙に性格の悪い美佐子さんや、バイクで家の中を徘徊する洋子などが笑えました。
「マハートの世界」もギャグストーリーで、
細かいアニメーションで、こずえのヅラがとれたり、
妙に陽気な桜子がいたり、とかなり笑えました。


と、そんなゲームでした。

2003 05/02


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