●ネジレ
2002年「えん」より発売の調査シミュレーションゲーム


「えん」より発売の第2作目「ネジレ」ですが、
第1作の「夕闇の童詩」に続き、隠れた名作と言って良い出来でした。

なんでこのソフトが某中古PCソフトショップで980円なのかとても疑問です。
「ネジレ」「夕闇」ともに激安コーナーに並んでいました。
「ゆうろ」氏の原画が素人っぽく見えるのだろうか、
アレはアレでとても良い雰囲気を出しているのに…
PCショップの人には雰囲気が伝わらなかったのか…。
とか思います。

ちなみに「ネジレ」は980円で買いました。
前作「夕闇」は発売日直後にほぼ原価で買ったのですが、
「ネジレ」の方はあまり情報が入っていなかったので、発売されていた事すら気付かなかったわけです。

でまぁ、
そんなわけでこの「ネジレ」をプレイしたわけなのですが…
いやー、PCショップの人、絶対このゲームは980円で売っちゃいけませんって。
こんな名作、出会ったのが久しぶりってな感じです。
ってな感じで感想行きます。

まずあらすじ内容としては、
「ネジレ」と言われる、学園での超常現象を解くのが主人公にかせられた仕事。
期限は一月足らず、期限までにその「ネジレ」を解かなければ、
「ネジレ」に関係した、少女達と主人公は組織に消されてしまう。
そんなわけで、主人公は調査員の夕鶴(ユヅル)と共に「ネジレ」を解いていくのです。

そんな感じの内容で結構面白い設定だな、と思いながらプレイしました。

マルチエンディングっぽく見せておきながら、結局は1本のエンドに終結するタイプで、
結構好感のもてる工夫具合だったと思います。
で、まぁこのゲームのシナリオですが…
久々に泣けるシナリオでした。
特に「美智琉」のシナリオが自分的な感性にフィットしていました。
このシナリオは是非色んな人にやって頂きたいシナリオだと思います。

でまぁ、他のシナリオもちょっと変わったシナリオに面白さが感じられました。
少しひねくれたようなシナリオが魅力的な作品です。

このタイプのADVとしては全員をクリアする前に諦めるタイプが多いので、
このゲームは全員解くのも苦にならず、「あぁはまってる〜」って感じを味わえました。
一キャラ解いても次にプレイするまでに間が空かないのがその要因ではないかと思います。


次に絵ですが、
原画に「ゆうろ」氏を使い前作同様、やわらかい感じの雰囲気を巧く出していたと感じました。
まぁ制服のデザインが少し面白かったり、無駄にタイトルがおどろおどろしいのは置いておきまして、
雰囲気はかなり良い感じだったです。
背景はもう少し描き込んでも良いかなーみたいに思ったシーンもありましたが、
そんなに悪い感じはしませんでした。


続いて音楽。
音楽はかなり良い出来なのではないかと思いました。
柔らかい感じがして、ゲーム中も気持ち良い感じがしますし、
ゲームCDをそのまま音楽CDとして聞いてもなんら違和感のない良い音楽だと思います。
主題歌も結構スタンダードに綺麗にまとまっていて、
一つのゲームに2つバージョンが入っていると言う少し贅沢な内容です。
で、私が一番お気に入りの音楽が「美智琉の曲」で「Di・Gi・Ko」と言う曲なんですが、
なんかとてもレトロな感じがする曲なんですが、シナリオの助けもありとてもお気に入りな曲です。

ついでにこのゲームの音楽で嬉しい所がボーナストラックとして、前作「夕闇の童詩」の
アレンジ曲が入ってるところなんです。
「夕闇の童詩」も少し変わった世界観を見せてくれた作品でとても気に入っているのですが、
久々にアレンジの曲を聴いてもう一度プレイしたくなりました。
こちらも柔らかい曲調で、好感の持てる音楽だったです。


続いてシステムですが、
シナリオでの調査パート中にキーワードをメモって、どんどんそれを重ねて行くのですが、
まぁ結構言葉を捜すのが面白かったりと、巧いと思いました。
ただ難癖をつけるなら、1度キーワードを読み飛ばしてしまうと、文章履歴でキーワードを拾えない為、
ロードしてやりなおすか、もう一度その会話イベントを起こさなければならないのが面倒でした。
でも、それほど調査も長引かないため、作業的になる前に次々進んでくれるので苦にはなりませんでした。

ついでに嬉しかったシステムが、1度期限までシナリオ日数が進んでも、
キーワードやシナリオ進行がそのままで、もう一度やり直せる所がとても嬉しく感じました。
攻略法を見ないでも出来る程度のADVが一番良いと思います。


全体を通して、久々に隠れた名作に出会った気がするのですが、
多分他のサイトではそんなに対した評価はされてなさそうな気がしなくもないです。
でもこのゲームは新品原価で買っても損はしないゲームだと思うので、
色んな人にプレイして頂きたい作品だと思います。
2004年始めてプレイした泣けるゲームでした。


2004 01/23


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