● この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

「elf」より発売のADV


あらすじ内容としては、
父親が死んだと言う知らせにより、義理の母親を支え生きていかなくてはと誓う主人公。
しかし、ある日、死んだはずの父親から一通の手紙が送られる。
その手紙には、「時間」と「歴史」の概念についての説明文とともに、
時間を移動できる「リフレクター」という道具が入っていた。
そして、まだ父親は死んでいないとか書かれている。
主人公は交差する時間的空間を移動しながら、真実を見つけるために行動する。
と言った感じです。

私的感想としては、
pc98末期に発売され、どちらかと言えば「セガサターン」版の方が有名であるという、
微妙な位置付けのソフトでありながらも、
最高のスタッフを使った完成度の高い作品だと感じました。

シナリオ面では、
私が敬意を示す「剣乃ゆきひろ」氏のシナリオで、
始めから最後まで申し分の無い、素晴らしいシナリオだったと感じました。
交差する時間的空間のなかで綴られるストーリー、
恋愛、冒険、SF、全てを融合したとても壮大な物語。
これは時間的にゆとりがあるならば、是非やって欲しい作品であると思います。
ちなみに余談ですが、「剣乃ゆきひろ」氏はただ今「管野ひろゆき」と改名(?)しておられます。
「剣乃ゆきひろ」時代の方が良いシナリオを書いていた気がするのですが…
好みの問題でしょう。

グラフィック面では、
申し分のないグラフィックです。
背景もキャラもとても良く描けています。
好みはあると思いますが、万人受けする「絵」なのではないでしょうか。

システム面では、
とても斬新なシステムを取り入れたゲームで、
これこそ、このゲームの目玉であり、私が最も敬意を示す点です。
時間軸上を「リフレクター」と「宝玉」と言う道具を使い移動するのですが、
話の流れ、歴史、時間の流れがとてもバランスよくゲームとして表現されています。
オープニングムービーでのヒントや、クリックタイプのADVもとても充実した内容でした。

サウンド面では「EVE」を思わせる音楽が多かったような気がしました。
もともと「EVE」は大好きなのでとても良いと感じましたが。
しかし、FM音源ながら、奥の深い音楽を表現していたと感じられました。

全体的に、
時間にゆとりがある人ならば、一度はプレイする事をお勧めします。
攻略法がないと辛い所も多々ありますが、それでもやる価値はあると思います。
SS版で発売され、win版への期待も多かった作品なのではないでしょうか。
1年ほど前に発売されたエルフの「大人の缶詰」と言うソフトにwin版のこの作品が入っていたはずです。

とても私的な事を言うと、
元々「c’s ware」のファンであった私にとって、
エルフに引き抜かれてしまった「剣乃」氏の作品をやるのはどうにも気が進まなかったのですが、
とても「剣乃」氏らしいシナリオを見せてくれたので、良かったと思いました。


ベストキャラクター 

ユーノ。
DESIREの「ティーナ」と位置付けはそっくりだったのですが、
ヒロインとしての役目をキチンとこなしていて良かったです。


2002 4/12


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